■最速131キロ右腕・鷲田晴希 MCYSA全米選手権でV9に貢献「世界はやっぱり凄い」
プロ野球の楽天球団が運営する「東北楽天リトルシニア」は、設立から丸10年を数える東北の強豪チームだ。2014年12月に日本で初めてプロ野球球団が保有、運営する中学硬式チームとして、日本リトルシニア中学硬式野球協会の東北連盟に加盟した。
第8期生にあたる中学3年生10人は、約100人の応募の中から合格を勝ち取った精鋭揃い。今春に行われた「JA共済杯 第30回日本リトルシニア全国選抜野球大会」では4強入りを果たすなど、悲願の全国制覇にあと一歩のところまで迫っている。
ここまでチームを引っ張ってきたのは、まさにイーグルスの名にふさわしい投手だ。鷲田晴希。将来が有望視される右腕は、171センチの体全体を使ったダイナミックなフォームで、直球の最速は131キロまでアップ。シニア日本代表に選出され、7月のMCYSA全米選手権大会では、日本の9連覇に貢献した。
「アメリカでは、高い技術の人たちのプレーを見て、刺激を受けました。アメリカやブラジルと対戦して、世界はやっぱり凄いなというのと、自分の実力不足も感じ、もっと練習していこうと気づかされました」
8月に行われた中学硬式野球の日本一を決める「第18回全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップ」では、愛知豊橋ボーイズ(愛知)との1回戦に先発。4回をわずか2安打に抑え、5奪三振無失点の好投を見せると、打っても2安打2打点と、投打で大器の片鱗をのぞかせた。
ただ、続く世田谷西リトルシニア(東京)との2回戦では、代打出場から守備を挟んで2度マウンドに上がり、4失点と結果を残すことができず、チームも1-11で6回コールド負けを喫するなど、悔しい結果に終わった。今後に向けての課題は、本人が一番自覚している。
「球速と球の切れを上げていきたいです。自分は体が硬いので、まずは柔らかくして、球速を伸ばしていかなければならないと思っています」
楽天シニアで同僚たちと切磋琢磨した3年間。土谷鉄平監督や土屋朋弘コーチら、元プロからの指導もあり、日の丸を背負う選手にまで飛躍を遂げた。
「最初はダメなピッチャーでしたが、みんなとたくましく成長することができて、最終的には背番号1で投げることができたので、本当によかったです」
鷲田がイーグルスを巣立ち、次のステージで大きく羽ばたく日はもうすぐだ。