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西南学院大の東和樹監督

■選手を支える「クリエイティブチーム」の存在…東監督「存在が大きい」

 九州六大学野球連盟に所属する西南学院大が5月4日、北九州大を9対3で破って通算成績を8戦全勝とし、4季ぶり8度目のリーグ優勝を飾った。1点を追う9回無死一、二塁、プロ注目の外野手・栗山雅也主将(4年、東福岡)の右前適時打で同点に追いつくと、後続も続いてこの回一挙7得点。チームスローガン「克ち切れ!」を体現する、鮮やかな逆転劇だった。

 西南学院大は全国の大学野球部でも特殊な活動をしている。私立大ながらスポーツ推薦はなし。2013年からチームを率いる東和樹監督も「選手集めは一切していません」と語る。寮もなく、グラウンドも準硬式野球部と共用のため、週に半分しか使用できない。学校からの活動費も体育会で一律と限られる中、九州六大学の中でめざましい戦果を挙げている。なぜか。もちろん、選手たちのたゆまぬ鍛錬の成果が出たことは確かだろう。ただ、東監督は「選手以外の組織、いわゆるサポーターの存在が大きい」という。

 2015年。その「サポーター」と言われる組織は、たった一人から始まった。それは、東監督の夢でもあった。4年春までベンチ入りしていたある部員が「秋は選手ではなく、僕はサポーターになります」と志願。チームの裏方的な役割を担ってくれた。その「サポーター」は、今や「クリエイティブチーム」に名を変え、チーム運営の中枢を担うようになった。

 クリエイティブチームは「営業部」「総務部」「制作部」の3チームに分かれる。営業部は地域企業から協賛を得るため、テレアポやメール、SNSのダイレクトメッセージなど、様々な方法を駆使してアポイントを取得。昨年は計21社から118万円の協賛金を集めた。これまで1年で最高500万円を集めてきた時は、さすがの東監督も「ビックリした」という。

 集めたお金は、総務部が管理し、選手が練習効率を上げるために必要なものの購入費に充てている。そして制作部は、SNS運用やYouTubeで試合をライブ配信し、全国にその知名度を広めて優秀な選手の獲得に繋げている。まさに企業も顔負けのチーム運営だ。

 こうして「ワンチーム」になった部員たちは、2023年以来の優勝を勝ち取った。前回の神宮では天理大の真城翔大投手(JR西日本)にノーヒットノーランを喫して初戦敗退しただけに、1956年以来の1勝に期待がかかる。この春は、「セイナン」の躍動に注目だ。

 

 

 

 

 

 

 

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