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二塁手用のグラブ。捕球面にしっかりと保湿剤が塗り込まれている
二塁手用のグラブ。捕球面にしっかりと保革剤が塗り込まれている

 4月が始まり半月が過ぎ、バタバタする新学期もそろそろ落ち着きを取り戻してきた頃ではないだろうか。新たに野球部へと入部し、野球道具を一式揃えないといけない、または進級を機に買い換えるシーンが増える季節であるが、どういったものを選べばいいか、悩んでいる親御さんや選手も多いのではないだろうか。そこで、野球人なら誰しもが購入するグラブ選びについて考察してみたい。

 グラブはまず、軟式用と硬式用で革の材質が異なる。軟式用は革が薄くて軽く、硬式用は厚くて重いものを使っている。これは硬式球が軟式球に比べて硬く、重く、そして大きいため。耐久性も当然硬式用の方が長く使える。

ただ、最近は軟式用も革の耐久性などに優れているため、軟式から硬式へと切り替わった際も、当面は軟式で使っていたグラブを使用しても大丈夫。投手、捕手、一塁、内野、外野とどこを守るかによってグラブの形状も変わってくるので、自分が守るポジションを見極めてから購入しても遅くはない。

 グラブをポジション別に見てみる。投手用は相手打者のボールの握りが見えないように、ウェブ(人差し指と親指の間の網)は隙間が少ないものを使用、捕球面も深く、手首まで隠れるものが多い。

 捕手、一塁のグラブは「ミット」と呼ばれ、他のポジションと比べ特殊な形状をしている。捕手用は投手の投げる直球や変化球、ワンバウンドなどを後ろにそらせば走者に進塁を許してしまうため、革が厚く、捕球面が大きいのが特徴。

 一塁手用は各ポジションからの送球を捕球する機会が一番多いため、ミットの先が長く、捕球面も深め。革の面積が大きいため、捕手用ミット同様に重量感がある。

 他の内野手グラブはポジションごとに特徴があり、サイズでいうと三塁手用>遊撃手用>二塁手用の順で大きさが異なる。

 三塁手用は右打者の強烈な打球が多く飛んでくるため「ホットコーナー」と呼ばれる。そのため、捕球面が深く、少し大きめに設計されている。

 遊撃手用、二塁手用は素早いプレーが求められるため、ボールの握り替えがしやすいように捕球面を浅くして、グラブも小さく、軽いものが多い。

 外野手用はフライ、ゴロともに後ろへとそらせば失点の可能性が高く、そのため、一塁手のミットのような縦長の設計となっている。 

手入れ方法だが、まずはグラブについた土をブラシなどでしっかりと落とした後、専用の保湿剤などを使い、捕球面を中心にしっかりとなじませていく。あまり塗りすぎるとグラブ自体が重くなるので、適量を布に取り、背面部などに伸ばしていく感じで。グラブにとっての大敵は水分と乾燥なので、雨で濡れた時などはしっかりと乾かした上で素早く保革剤を塗り込む。一つのグラブを長く使うためも、しっかりとしたケアは欠かせないところだ。

 硬式用のグラブは硬く、以前は試合に使えるまで数ヶ月を要したが、近年ではグラブをお湯に突っ込み、グラブを柔らかくしてくれる「湯もみ」を行ってくれるメーカーもあり、購入後すぐに使えるようになった。ただ、新品のグラブを一から自分の「型」に仕上げていくのも野球人としての醍醐味の一つ。愛着を持って育てていけば、グラブもきっと期待に応えてくれる。

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