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履正社が春季4回戦で敗れる波乱…夏甲子園へ不安要素も

 春季高校野球大阪府大会は5日、シティ信金スタジアムなどで行われ、今春センバツ出場の履正社が大商大高に3-4で敗れ、4回戦で姿を消す波乱があった。

 エース左腕の福田幸之介が初回、四球や暴投などで1点を失うと、2回には3失策と、強打だけではなく堅守でも知られる履正社らしからぬミスを連発し3失点。2回までに4点の大量リードを許した。

 打線は大商大高先発の板倉大輔から7安打を放ち3点を奪うも、あと1点が遠かった。結局、大商大高打線を1安打に抑えながら、序盤のミスが響き、今夏はノーシードからのスタートとなった。

 履正社が大阪府大会で大阪桐蔭以外のチームに敗れるのは2021年夏の準決勝、興国戦以来、約2年ぶり。今春センバツでも初戦となった2回戦、高知を7回まで無安打に抑えながら、8回に2点を失い、2-3で逆転負けを喫した。

 2019年を思い出す。センバツで奥川恭伸(現ヤクルト)率いる星稜(石川)に3-0で敗れ、1回戦で姿を消すと、春季大阪府大会では準々決勝で今回と同じ大商大高に2-3で敗れた。

 ただ、「打倒・奥川」を合い言葉に、岡田龍生監督(当時、現東洋大姫路監督)がチームを立て直し、夏の大阪府大会を3年ぶりに制すと、甲子園では強打を武器に勝ち上がり、決勝で星稜と再戦。1点を追う3回、4番・井上広大(現阪神)の3ランで勝ち越すと、同点とされた直後の8回、野口海音主将(現大阪ガス)が決勝タイムリー。そのまま5-3で逃げ切り、悲願の甲子園初優勝を飾った。

 続く2020年は、右腕の岩崎峻典(現東洋大)、リードオフマンの池田凜(現明治大)、主軸の小深田大地(現DeNA)ら甲子園優勝メンバーが中心となり、春季近畿大会で4強入り。2年連続センバツ出場を決めたが、コロナ禍の影響で春夏の甲子園が中止となった。

 それでも選手たちは気持ちを切り替え、夏の大阪府独自大会では準決勝で大阪桐蔭に9-3で勝利。夏の府大会に限れば、1999年以来、21年ぶりにライバルに勝利した。

 甲子園で行われた1試合限りの交流試合では星稜と〝3季連続〟となる対戦。エースの岩崎が1失点完投、主将の関本勇輔捕手(現SUNホールディングス奈良)も盗塁を3度刺すなど、バッテリーの活躍が光り10-1で大勝。有終の美を飾った。

 履正社の歴史の中でも指折りのタレントが揃いながら、コロナ禍に翻弄された「ロスジェネ」世代。もしコロナがなかったら…。春夏甲子園の中止が悔やまれてならない。

 大阪桐蔭には2020年独自大会で勝利して以来、2020年秋から公式戦5連敗中。昨夏、昨秋は決勝で戦い、ともに0-7と大きく水をあけられた形となった。

 ノーシードで迎える夏。果たして大阪桐蔭との再戦はあるのか。昨春就任した多田晃監督がどうようにしてチームを再建するのか、注目が集まる。

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