■昨年甲子園で好投した山田渓太、田中優飛の両投手が好投
立大に楽しみな1年生が現れた。12日の東京六大学春季リーグ戦第5週第2日。大垣日大から入学した山田渓太投手が、神宮初登板を果たした。
強心臓のルーキーだ。マウンドに上がったのは、3点ビハインド、6回1死満塁の場面。これ以上追加点は許せない状況で、先頭の光弘帆高内野手(履正社=2年)に対し、3ボールとしながらも二飛に仕留めると、代打の今井英寿外野手(松商学園=3年)を遊ゴロ。同じ1年生の小林隼翔内野手(広陵)が丁寧に一塁へ送球して追加点を許さず、その裏の2得点を呼び込んだ。
山田は7回こそ1点を失い、1回2/3で降板。試合も2-6で敗れて1勝1敗のタイに持ち込まれ、今季初の勝ち点はお預けとなったが、15日に雨天順延された第3戦、そして第7週の東大戦でも、流れを呼び込む好投が期待される。
悔しい敗戦が山田の原動力となっている。昨夏の甲子園、おかやま山陽との2回戦。タイブレークの延長10回表に1点を先行し、その裏、勝利まであと1アウトに迫った。しかし、2死満塁から高めのカットボールを髙橋慎捕手(明大=1年)が捕逸。さらに本塁への悪送球が重なり、逆転サヨナラの生還を許した。
1球の怖さを誰よりも知っているからこそ、その1球をおろそかにすることはない。高校時代の同僚でもある髙橋がスタンドから見つめる中、力の限りに右腕を振った。
立大はここまで早大、法大、慶大に1勝2敗(慶大は1分け含む)で勝ち点を落とし、2017年春以来となる優勝の可能性はなくなった。しかし、昨季は春夏ともに東大以外から白星を挙げられなかったことを考えると、他のライバルたちと堂々と渡り合っている。
9回1死二塁からは同じく1年生の左腕・田中優飛投手(仙台育英)もデビュー。140キロを超える直球を投げ込み、わずか2球で無失点に打ち取った。慶大戦途中から「1番遊撃」のスタメンを勝ち取った小林隼も、規定打席こそ到達していないが、22打数7安打、打率.318と堂々たる結果を残している。楽しみな1年生の台頭。スローガンの「結束」を体現し、秋以降の覇権奪回を狙う。