■東筑から指定校推薦で入学、3年生右腕が5回1失点で父子2代東京六大学勝利投手に
東京六大学野球春季リーグ戦は14日、神宮球場で第1週第2日が行われ、立大が早大を3-1で下し、今季初白星を挙げた。主役は3年生右腕の大越怜投手(東筑)だ。リーグ戦初登板初先発ながら、最速144キロの直球とスライダー、カットボールを駆使し、5回を1失点の粘投。1四球と制球もよく、小気味のいい投球スタイルでわずか2安打に封じた。
父は仙台育英(宮城)で1989年夏の甲子園準優勝投手に輝き、早大を中退後、ダイエーでも活躍し、現在は早鞆(山口)の監督を務める大越基さん。くしくも、父が1年まで在学した早大からうれしい初白星を挙げ、父子2代で東京六大学勝利投手となった。
福岡の進学校である東筑でエースとして活躍も、甲子園に出場することなく、高校野球生活を終えた。指定校推薦で立大に進学も、1年生時はチームで一番下の位置するDチームに在籍。父の高校後輩である吉野蓮(仙台育英)や、小畠一心(智弁学園)ら、同学年が下級生からリーグ戦で活躍する姿に「悔しいなと思うことはある」と語った事もあった。
それでも焦ることはなかった。「できることを1個ずつ増やして、お父さんのレベルまでいけたら」と話したように、地道に努力を重ね、オープン戦でも結果を残し、3年生で2戦目の先発を任せられる右腕に成長した。東筑出身の投手が東京六大学リーグ戦で白星を挙げるのは、1998年の福山龍太郎投手(法大、現福岡ソフトバンクホークスチーフスカウト)以来、実に26年ぶりの快挙だ。
今春から指揮を執る木村泰雄監督にとってもリーグ戦初白星。立大が東大以外から白星を挙げるのは、2022年秋に法大から勝ち点を挙げて以来、実に3シーズンぶりとなる。大越が呼び込んだ勢いそのままに、15日の第3日に、早大から2022年春以来の勝ち点を奪う。