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兼任で監督代行を務める西武・渡辺GMの地元である前橋市の上毛新聞敷島球場。今年は8月20日にオリックス戦が予定されている

■ここまで15勝30敗で最下位の責任取り…28日の交流戦初戦から「ナベQ」が立て直す

 プロ野球の西武が、松井稼頭央監督の休養と、渡辺久信ゼネラルマネージャー(GM)が兼任で監督代行を務めることを発表した。松井監督は25、26日のオリックス戦(ベルーナドーム)連勝後に球団と話し合い、休養が決まった。就任1年目の昨季は5位に終わり、巻き返しを図った今季は、開幕後10試合こそ6勝4敗とまずまずも、9年ぶり8連敗を喫するなど、ここまで15勝30敗の最下位に沈んでいた。

 渡辺GMは、2013年の監督退任以来、11年ぶりの現場復帰となる。現役時代は西武、ヤクルトで通算125勝、その後は台湾でもコーチ兼任で活躍し、2001年途中に現役を引退した後、2004年に2軍投手コーチで西武に復帰。2軍監督も経験した後、2008年から1軍監督に就任すると、前年Bクラスに沈んだチームの立て直しにに成功。4年ぶりリーグ優勝と日本一、さらにはアジアシリーズも制した。その後、2013年まで6年間チームを率い、シニアディレクター(SD)に就任。2017年にSD兼編成部長、そして2019年から球団本部GMへと昇格した。

 監督を退き、SDになったタイミングで聞いたことがある。「もうユニホームは着ないんですか」。返ってきた答えは「もう着ないと思うよ。家族にも色々と迷惑をかけたしね」。監督として激務に追われた6年間。「唯一の憩いの場」と話す自宅近くの「ドン・キホーテ」で雑貨を見ながら、たまったストレスを発散して帰路に就いたことは数知れない。

 ただ、こうも付け加えた。「SDとして残るっていうことは、球団もいざという時のことを考えてるんじゃないかな」。その「いざという時」がきた。松井監督の無念、そしてGMとして球団を低迷させてしまった責任も一身に背負いながら、28日の交流戦初戦となる中日戦から再び指揮を執る。背番号は監督当時の「99」から「72」となるが、「ナベQ」の現場復帰に胸を熱くするファンも多いはずだ。

 渡辺GMは、監督4年目の2011年、前半戦を球団史上15年ぶりの最下位で折り返すなど低迷。しかし、現状と同じ借金15からチームをクライマックスシリーズへと導いた過去もある。まだ5月。立て直すチャンスはいくらでもある。

 

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