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吉永健太朗さん
「ベースボール5」の練習でゴムボールを打つ吉永健太朗さん(本人提供)

 近年、世界中で広まりを見せているスポーツがある。「Baseball5」(ベースボールファイブ、以下B5)と呼ばれる、男女混合の1チーム5人制、5イニングからなる野球・ソフトボールの新しいストリート競技だ。

 B5のルールは基本的には野球やソフトボールと同じだが、専用のゴムボールを使用。18メートル×18メートルのフィールド内にダイヤモンドを作って行う。投手はおらず、打者が打席内でゴムボールをトスし、手で打ってから走り出す。どこへ打ってもいいが、打球はフェアゾーン内の本塁より3メートル以上離れた地点で少なくとも1回はバウンドさせなければならない。ファウルやフェンスオーバー、フェンス直撃を打ってしまった場合はアウトとなる。

 守備側は一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手と、主に二塁ベース付近を守る中間野手の5人。主に体育館などの室内でプレーするため、広いグラウンドは必要ない。グラブやバットなどの高額な用具も使わないので、2018年の考案からすでに世界70カ国以上で普及している。

 かつての甲子園優勝投手もB5の魅力に引き込まれている。吉永健太朗さんは、2011年夏の甲子園で日大三(西東京)を優勝に導き、早大では1年春の東京六大学リーグ戦制覇、そして全日本大学野球選手権で日本一を達成し、MVPを獲得した。ただ、フォームの違和感や右肩痛などもあり、学年が上がるにつれ伸び悩み、3、4年ではわずか1勝しかできなかった。JR東日本に入社後も右肩手術など怪我に苦しみ、プロ入りの夢はかなわず、2019年限りで現役を引退。現在は人材派遣会社で法人営業を行っている。

 吉永さんは昨夏、日大三同級生で、B5日本代表の宮之原健(たける)さんに誘われ、初めてB5をプレー。その魅力の虜となり、自身のチーム「Hi5 Tokyo(ハイファイブ・トウキョウ)」を設立した。

「オーバースローだと肩が痛いですけど、ベースボールファイブはスナップスローで一塁まで届くし、打撃も全力で振ることができます。全力でできる面白さっていうところが嬉しいですね」

 現在は国内初の全国大会となる「第1回Baseball5日本選手権」(2月4日、横浜武道館)東日本予選・オープンの部Eグループ(1月21日、駒沢大学野球部室内練習場)出場へ向け、練習に取り組んでいる。

「運営しているチームで日本一、個人的には日本代表に選んでいただき、世界一を獲りたいです」

 硬球をゴムボールに持ち替え、吉永さんの新たな挑戦が始まる。

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