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桃園球場で行われた第32回小倉・東筑高等学校定期野球大会

■全校生徒による迫力の応援合戦、エール交換…プライドのぶつかり合い

 福岡県北九州市の進学校が互いのプライドをかけ、しのぎを削った。今年で32回を数える「小倉・東筑高等学校定期野球大会」が5日、北九州市の桃園球場で開催。一塁側に小倉、三塁側に東筑が陣取り、全校生徒による迫力の応援合戦が、ナインの士気を高めた。

 開会式では、小倉の「濃紫」、東筑の「エンジ」のスクールカラーの中間色である「江戸紫」の優勝旗が、北九州の青空に映える。「九州の早慶戦」とも呼ばれる伝統の一戦は、1991年に第1回大会が開催。2020年、21年と新型コロナウイルス感染症拡大での中止を挟み、対戦成績はここまで15勝15敗1分けと、がっぷり四つが続いているだけに、両校とも勝ち越しへ向け気合が入る。

 先制したのは小倉だ。0-0の5回、吉澤虹輝(3年)の左前打を、左翼の安田創磨(3年)が後逸。打球が転々とする間に吉澤がダイヤモンドを一周した。歓喜に沸く一塁スタンドでは、童謡「うさぎとかめ」のリズムに合わせ「ああ愉快なり~愉快なり~♪」の大合唱が鳴り響いた。

 東筑がようやく反撃に転じたのは終盤の8回だ。失策をした安田が汚名返上の同点三塁打を放つと、その後犠飛で勝ち越し。さらには林祐輝(3年)のランニング本塁打でこの回3得点。鮮やかな逆転劇に、三塁側スタンドで童謡「桃太郎さん」のリズムに合わせて「楽しいな~楽しいな♪」の得点マーチが、外野後方にそびえる皿倉山にこだました。

8回にランニング本塁打を放った東筑・林祐輝

 東筑は2年生右腕の池口貴綱が9回を締め、3対1で試合終了。小倉との対戦成績を16勝15敗1分けとし、6月29日から開幕する全国高校野球選手権福岡大会へ向け、弾みをつけた。

 閉会式では、来年の当番校を務める東筑の小川昇二郎校長が「今後も両校のライバル関係は続いていきます」と力強い挨拶。最後は荘厳なエール交換で幕を閉じた。小倉と東筑。文武で火花を散らす両校の熱きライバル関係に終わりはない。

 

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