16日に行われた東京六大学春季リーグ戦第2週第1日の東大―早大で、プロ野球ロッテで活躍した渡辺俊介氏(現日本製鉄かずさマジック監督)の長男・向輝投手(こうき=2年)がリーグ戦初登板を飾った。
2回を投げ2安打2失点と決して満足できる結果ではなかったが、父譲りのサブマリン投法で神宮を沸かせた。父とロッテで同僚だった対戦相手の早大・小宮山悟監督も、今後の活躍に期待を寄せるなど、まだまだ成長が楽しみな右腕だ。
かつて東京六大学で活躍したプロ野球選手の2世と言えば、立大で活躍した長島茂雄さんの長男で、立教高から父と同じ立大に進んだ一茂さんが有名だろう。一茂さんはリーグ戦で父の通算8本塁打より多い11本塁打を放つなど、名実ともに六大学の看板選手に成長した。87年ドラフトでヤクルトにドラフト1位で指名された後、93年には父が監督を務める巨人へ金銭トレード。父子鷹として球界を沸かせた。
野村克也さんの息子である克則さんは堀越高から明大に進んだ。93年秋季リーグ戦では首位打者と打点王、一塁手でベストナインにも選出されるなど、在学中に4度の優勝を経験。95年ドラフトで父が監督を務めるヤクルトに3位指名を受けた。その後、阪神、巨人、楽天と移り渡り、06年シーズンを最後に現役引退。現在は阪神でコーチを務める。
「ひまわり」と「月見草」の愛息がそれぞれ東京六大学に進み、活躍したことは実に興味深い。
清原和博さんの長男・正吾内野手は慶大に進んだ。小3から「オール麻布」で野球を始めたが、中学ではバレーボール部、慶応高ではアメリカンフットボール部に所属。慶大から硬式野球部に入部し、3年となった今春リーグ戦でスタメンに定着すると、10日の法大戦で嬉しい初安打を放った。競技再開からわずか2年あまりでベンチ入りのみならず、レギュラーとして試合に出場すること自体、賞賛に値する。
弟の勝児も慶応高2年の今春センバツに出場。将来的に慶大へ進学することが有力なだけに、兄弟ともに今後が楽しみな逸材だ。
広島で活躍した前田智徳さんの息子・晃宏投手も慶応高から慶大へ。昨秋、1年生ながらリーグ戦デビューを飾った。今春には元広島で立大OB広池浩司さんの息子、浩成投手が慶大ですでにベンチ入り。元日本ハムの金子誠さんの息子・永外野手は立教新座高から立大へと進んだ。
いずれも偉大な父の後を追い、重圧の中で結果を出してきた。今後、その父を越える選手は出てくるのか。活躍を見守っていきたい。