■昨夏前に捕手から一塁へコンバート 今春センバツでは「4番一塁」で1安打1打点
今春センバツに出場した東海大福岡が、第154回九州地区高校野球大会(佐賀市・さがみどりの森球場)に出場。20日に宮崎商と対戦したが、16ー3と大敗し、初戦で姿を消した。
春の大会は夏に向けて、色々と試行錯誤の時期。東海大福岡も例外ではない。2年生の昨夏から4番を任されている藤本塁守捕手(3年)は、背番号2をつけ、高校の公式戦で初めてマスクをかぶった。複数のポジションを増やせる選手を増やし、守備力の底上げにつなげるのが狙いだ。
藤本はヤングリーグの福岡東コンドルでは捕手を務め、高校もキャッチャーミットを持って入学したが、昨夏の福岡大会前に打力を生かすため、一塁へとコンバート。昨秋九州大会準々決勝の延岡学園(宮崎)戦では、試合の行方を決定づける特大の本塁打を放ち、センバツ出場をたぐり寄せた。
センバツ初戦の宇治山田商(三重)戦では背番号3をつけ、「4番一塁」で出場。3点を追う5回に右前適時打を放ち、一時は同点に追いつくも、6回に1点を勝ち越され、5-4で競り負けた。激戦の福岡を勝ち抜いて、夏の甲子園初出場へ、中村謙三監督は、藤本の捕手再挑戦を決断した。
名前は塁守(るいす)。元高校球児で捕手だった父・尚宏さんが命名した。藤本が名前の由来を明かす。
「藤本の『本』からつながっていて、『本塁を守る』という意味で、捕手をさせたいうという思いが込められているようです」
まさに生まれながらにして野球を、そして捕手をやることが宿命づけられていたかのような名前だ。しかし、夏までマスクをかぶる保証はどこにもない。元々は主将の井上和翔捕手(3年)が背番号2をつけ、センバツでも2安打を活躍を見せていた。九州大会では背番号12に甘んじていたが、競争が激化するのは必至だ。
主砲、そして扇の要として…。藤本が攻守で活躍すれば、東海大福岡の夏はそう簡単に終わらないだろう。