東京六大学リーグ第4週第1日が29日、神宮球場で行われ、明大ー法大は明大が逆転勝ちで先勝した。来秋ドラフト上位候補の明大・宗山塁(3年、広陵)は2点を追う5回裏に適時三塁打を放ち、続く上田希由翔主将(4年、愛産大三河)の同点打を呼んだ。8回に再度勝ち越しを許すも、その裏、代打・木本圭一(2年、桐蔭学園)が決勝2ラン。3季連続優勝へ大きな1勝を挙げた。
宗山に限らず、近年の東京六大学では広島・広陵勢の活躍が目立つ、同じ明大では昨夏高校日本代表の4番として活躍した内海優太(1年)が早くもデビュー。23日の慶大戦では代打でリーグ戦初安打となる決勝2ランを放った。広陵出身ではないが、兄の壮太(3年、御殿場西)は法大で18日の立大戦でリーグ戦初安打を放っており、兄弟で神宮の杜を沸かせている。
内海と同級生で立大の捕手・大山陽生(1年)もベンチ入り。法大には阪神・西純矢の弟で、昨春の広島大会準決勝で1試合3本塁打をマークした西凌矢(1年)が入部。早大に進学した投手の森山陽一朗、内野手の岩崎遼(ともに1年)も早期の出番をうかがう。
また、明大には宗山の1学年先輩の左腕・石原勇輝(4年)がリーグ戦登板19試合目にして初先発を果たし、6回を4安打無失点渡航等。自己最速タイの149キロをマークするなど、一躍注目投手に躍り出た。
広陵出身の注目選手は以前から早明に進学するケースが多く、近年では早大に土生翔平や有原航平、丸子達也、今西拓哉、丸山壮史ら、明大は野村祐輔、上本崇司、福田周平、佐野恵太ら錚々たるメンバーが進み、チームの中核を担ってきた。
法大にも平元銀次郎、高田桐利、立大には吉岡広貴と、途切れることなく東京六大学へと進学させてきた中井哲之監督(60)の手腕には恐れ入るばかりである。
広陵は今春センバツで13年ぶり4強に進出。世代トップクラスのスラッガー・真鍋彗を筆頭に、1年夏から名門の背番号1をつける最速145キロ右腕・高尾響はまだ2年生と、楽しみな逸材も多い。当然数人は東京六大学への進学も視野に入れているだろう。
「春の広陵」と呼ばれるように、春は3度の甲子園優勝を誇るが、夏は4度の準優勝が最高と、深紅の大優勝旗には辿り着いていない。今夏はその悲願を達成し、再び神宮へと選手を送り込む。