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東京六大学春季リーグ戦は明大の3連覇で幕を閉じた

 東京六大学春季リーグ戦は29日に全日程が終了し、明大がチームとしては85年ぶりとなる3季連続優勝を果たし、全日本大学野球選手権(6月5日、神宮などで開幕)への切符を手に入れた。上田希由翔主将(4年、愛産大三河)、宗山塁内野手(3年、広陵)らタレントを差し置いて、首位打者を獲得したのは、身長1メートル63センチ、体重61キロの小兵、飯森太慈外野手(3年、佼成学園)だった。47打数20安打、打率.426の好成績で、自身初なるベストナインを獲得した。

 甲子園経験者が軒並み名を連ねる明大の中で、飯森はスポーツ推薦ではなく、指定校推薦で入学した。周りを見渡せば、宗山の他に、大阪・履正社で2019年甲子園優勝メンバーの池田凜、岩手・花巻東の強打の外野手・水谷公省ら、そうそうたる選手がいた。

 最初に目をかけられるのは当然スポーツ推薦入学者で、1年生の時は当然のようにCチームで過ごす日々。ただ、飯森には50メートル走5秒8を誇る俊足があった。チームの誰よりも速く駆け抜ける韋駄天ぶりは田中武宏監督の目に留まり、2年春に代走要員としてベンチ入り。同年秋にはレギュラーを獲得し、打率.225ながら、何とリーグトップの9盗塁をマークして、リーグ連覇ならびに神宮大会制覇に貢献した。ちなみに今季も俊足は健在で、2季連続盗塁王となる7盗塁をマークしている。

 佼成学園時代の3年時は、コロナ禍で春夏の甲子園大会が中止になった「ロスジェネ」世代も、東京都独自大会では準優勝を果たし、大学でプレーする自信を得た。立大野球部OBの藤田直毅監督ら恩師の後押しもあり、指定校推薦で明大に進学できたことが、飯森の野球人生を変えたと言っても過言ではない。

 6月5日からは、日本一の座を争う全日本大学選手権が開幕する。昨年も出場した明大は、準々決勝の佛教大戦で9回に2点差を追いつきながらも、延長10回タイブレークでサヨナラ負けを喫し、森下暢仁(現広島)らを擁した2019年以来の奪冠は夢と消えた。飯森も、その悔しさをスタンドから味わい、秋のレギュラー獲りへの力に変えた。

 昨秋の神宮大会に続く秋春連続日本一へ、7日、東農大北海道と日体大の勝者と初戦を行う。東京六大学代表のプライドを胸に。飯森はただひたすらにダイヤモンドを駆け回る。

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