
■昨年ルーキーイヤーは定位置奪取ならず…緒方漣内野手「まずは試合に出続ける」
東都大学野球1部リーグ戦は、4月7日から神宮球場で開幕した。昨季は青学大が史上5校目となる大学4冠を達成。「戦国東都」の実力にふさわしい活躍を見せたが、もちろん他大学も黙ってはいない。國學院大は、青学大のリーグ5連覇を阻止し、2022年秋以来となる優勝を虎視眈々と狙っている。
昨季の雪辱に燃えるのは遊撃手の緒方漣(2年)だ。ルーキーイヤーは春のリーグ戦からデビューして初本塁打をマークするなど上々のデビューを果たしたが、秋は7試合に出場して9打数無安打と満足のいく結果を残せず。今オフは速球に振り負けないスイングの獲得に力を注いだ。
「昨年は大学の壁というか、思っているよりなかなか結果が出ないシーズンでした。投手も高校の時と違い“大人の珠質”になり、制球も含めてレベルが凄く上がったなというのを実感しています。まずは、自分の身体の一部ではないバットにどう力を伝えていくか。ヘッドの走りや、投球に対してどういうアプローチをしたら乾いた音でインパクトできるかにこだわってやってきました」
横浜(神奈川)高時代は、3年間で喜びも悔しさも味わった。1年春から遊撃手のレギュラーとして試合に出場し、同年夏の甲子園1回戦の広島新庄戦では公式戦初本塁打となる逆転サヨナラ3ランを左翼席へ叩き込んだ。2年夏も連続出場を果たし、聖地で幾度も華麗なプレーを披露した。
「(甲子園は)純粋に楽しめましたね。1年生の時は3年生についていく感じでしたが、2年生の時には自分がしっかりしないといけないという責任の中でプレーしいたかなと感じています」
満を持して臨んだ3年夏も神奈川大会決勝に進出。慶應高との大一番、2点リードの9回守備で二ゴロゲッツーと思われたが、二塁ベースを踏んでいないと判定され、そこから逆転3ランを浴びて逆転負けを喫した。
「ワンプレー、1球で流れが変わるということを実感しました。逆に、あのプレーを糧に今があるという野球人生にしなければいけないという思いもあるので、忘れてはいけない試合だと思います。その悔しさを大切にしてこれからもやっていきたいです」
後輩たちは、センバツで19年ぶり4度目の優勝を果たした。主将の阿部葉太外野手は、1年夏からベンチ入りを果たし、数カ月の間ともにプレーしただけに、思い入れも強い。
「入部当初はメンバーに絡んでくるような選手ではありませんでしたが、6月頃に一気に上がってきて、夏は結果的にスタメンに入りました。その時から振る力、ボールを捉える力はありましたが、あれから2年が経って、さらに凄い選手になっていました」
リーグで意識する選手はUー18日本代表で同僚だった中大・東恩納蒼投手。昨春の対戦では抑えられただけに、今季こそ安打を放ちたい思いは強い。
「昨年はレギュラーに定着できなかったので、まずはショートで試合に出続けて、個人的にはベストナイン、欲を言えば首位打者を狙いたいです。結果が伴ってくれば、目標としているプロの世界も見えてくると思うので、まずはしっかりと日本一に貢献して、自分の進路を実現できればと思っています」
日本一の後輩たちに負けない活躍を見せるべく、大学2度目の春が幕を開ける。