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 夏の全国高校野球選手権大会の地方予選は全国で熱戦が繰り広げられている。智弁和歌山や二松学舎大付など、甲子園常連校が早々に姿を消す中、大阪桐蔭は19日、早稲田摂陵との初戦を迎える。雨天順延の影響もあり、もし勝ち進めば、30日に予定されている決勝戦までの12日間で計7試合と過酷なスケジュールを戦い抜かなければならない。

 エースの前田悠伍投手(3年)は今春センバツ準決勝の報徳学園戦に敗退後、春季大会ではベンチ入りメンバーから外れるなど、4月以降は公式戦での登板はない。

 ただ、夏までの準備期間として週に3回のウエートトレーニングや垂直跳びなどのメニューをこなし、下半身強化を徹底。センバツ時に80キロ前後だった体重は88キロまで増加した。

 今春ともにセンバツに出場した履正社や、春の大阪大会決勝で敗れた金光大阪、東海大大阪仰星や近大付といったライバルと相まみえることになる大阪夏の陣。当然前田一人で勝ち上がれるほど甘くはない。ベンチ入りする4人の控え投手陣がカギを握る。

 筆頭は背番号10の南恒誠投手(3年)だろう。センバツ準決勝の報徳学園戦で先発し、5点リードを守れず、7回途中5失点で降板こそしたが、右腕から投げ下ろす140キロ台中盤の直球は威力十分。他校の脅威となるのは間違いないだろう。

 背番号11の松井弘樹投手(3年)も右腕から140キロを超える直球を投げ込む。甲子園での登板こそないが、今春近畿大会1回戦の智弁学園戦では3番手で登板し、2回を無失点に抑える好投を見せた。今夏の登板に向け、最後のアピールを続ける。

 背番号14の平嶋桂知投手は2年生投手陣で唯一のベンチ入り。東京の稲城リトルシニア時代は両打ちの投打二刀流として活躍した。今春大阪大会決勝の金光大阪戦では負け投手となったが、8回を投げ切り2失点の好投を見せた。最速も140キロ中盤を誇るなど、来年のエース候補から目が離せない。

 背番号20の藤井勇真投手(3年)は控え投手陣唯一のサウスポーだ。前田の陰に隠れ、公式戦での登板数こそ少ないが、昨秋神宮大会2回戦のクラーク国際戦では2番手で登板し、1回をパーフェクトに抑えた。左打者としてのワンポイントとしても期待がかかる。

 ベンチ入りこそしていないが、1年生にも楽しみな逸材がいる。宮崎・聖心ウルスラ聡明中出身の森陽樹投手は、すでに6月の招待試合に登板。軟式から硬式に転向してわずか数カ月にも関わらず、最速146キロをマークし、周囲の度肝を抜かせた。

 野手でも千葉・京葉ボーイズ時代に通算37本塁打を放った須貝蒼内野手や、身長190センチ、100キロの巨体を誇る熊本泗水ボーイズ出身の吉野颯真内野手ら、規格外の新入生が今年も多く入学した。まだまだ大阪桐蔭の時代は終わりそうにない。

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