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沖縄大会決勝が行われた沖縄セルラースタジアム那覇

■途中降板のエース田崎颯士が右翼から好返球!その後再登板で流れ呼び込んだ

 第106回全国高等学校選手権沖縄大会決勝が21日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われた。2年ぶり14度目の優勝を目指す興南と、創部3年目で初優勝を狙うエナジックスポーツの一戦は両校譲らず、試合は3-3で延長タイブレークに突入。興南は10回裏2死二、三塁、背番号15の代打・嘉数大毅(3年)が左中間に劇的なサヨナラ打を放ち、甲子園出場を決めた。秋田では金足農が秋田商を6-5で下し6年ぶり7度目、南北海道は札幌日大が立命館慶祥に6-4で勝利し、初の夏切符を手に入れた。

 伝統校と新鋭校の戦いは、壮絶を極めた。興南が3点リードを7回に追いつかれ、迎えた延長10回表タイブレーク無死一、二塁。2番手投手の金城勇希(3年)が、エナジックの4番・龍山暖(3年)に右前打を許した。誰もが勝ち越しを覚悟した瞬間、途中降板後に右翼の守備に就いていた田崎颯士(3年)から、矢のような送球が本塁に送られ、タッチアウトとなった。

 2010年に史上6校目の春夏連覇を果たした名将・我喜屋優監督は、これを機とみるや、すかさず田崎の再登板を決断した。田崎も我喜屋監督の期待に応え、後続を抑えて無失点に切り抜け、渾身のガッツポーズ。この試合、最速149キロをマークした背番号1のの意地が、その裏のサヨナラ勝利を呼び込んだ。

 ダイビングキャッチを試みたエナジックの中堅手・砂川誠吾(2年)はグラウンドに突っ伏したまま動けず、整列を待つ両軍の横で、担架によって運ばれた。気力と気力のぶつかり合いが、いかに激しいものだったかを物語っている。

 興南にとっては、2年ぶりとなる夏の甲子園。白星は2018年夏以来遠ざかっている。2010年。我如古盛次主将は春夏連覇を達成した時のインタビューで「沖縄県民みんなで勝ち取った優勝です」と気勢を上げた。県民が熱狂した悲願の夏初優勝から14年。強い興南が、再び聖地を席巻する。

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