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2022年から北筑高校野球部を率いる安部秀隆監督

■北筑・安部秀隆監督「選択させる機会を意図的に多く設けています」

 メジャーリーグで活躍する今永昇太投手(カブス)の母校である北筑(福岡)が夏の初戦を大勝で飾った。

 ノーシードの北筑は筑豊と2回戦を戦い、2、4回にそれぞれ6点を奪うなど、計13得点。投げては、先発の2年生左腕・橋本陽向からエースの遠藤史人(3年)ー豊福裕己(3年)の継投で筑豊打線を無失点に抑え、13ー0の5回コールドで大和青藍との3回戦に駒を進めた。

 就任3年目となる安部秀隆監督の采配も板についてきた。当初は初めての監督業に戸惑うことも多く、サインもスムーズに出せなかったという。

「最初は選手から教えてもらうというか、『先生、ノーサインの時とサインありの時、めちゃくちゃ分かります』みたいな(笑)。こっちは間違えないようにサインを出そうというのが最初に来ちゃっていましたね」

 公立のため、私学のように練習時間を確保することもままならない。平日の週3日は7時間授業のため、17時過ぎから練習が始まる。19時30分には完全下校しなければならず、実質2時間程度の練習時間の中で、全体でのウオーミングアップを省いて効率化を図るなど、工夫を凝らしながら日々を過ごしている。

「野球が好きで今も続けている子がほとんどの中で、僕はさせられている野球はあまり好きではありません。この前の試合がこうだったから、こういう練習がしたいというのが、選手から出てきてほしいんです。実際に試合でプレーするのは選手なので、とっさの判断や、起点を利かすというのは、普段から考える習慣がないと難しいのかなと思い、選択させる機会を意図的に多く設けています」

 自身の指導方針を熱く語る安部監督だが、負ければ終わりの夏の雰囲気は「全然違います」と言う。

「夏の大会は本当に特別だからというのは子どもたちにも言っています。3年生にとっては、この打席が最後になるかもしれないという局面もあります。そこでいつも通りやれというのは相当難しいです。毎打席がそのつもりで、試合のための練習をやってほしいと思っています」

 今の3年生は、入学当初から監督として受け持った学年だけに、思い入れも人一倍だ。

「目標はもちろん甲子園出場ですけど、まずは一戦必勝で、目の前の試合をしっかりと勝ち抜いてくということを、特のこのチームではやっていきたいなと思っています」

 かわいい教え子たちとともに、1日でも長く夏を戦い抜いた先に、創部初の甲子園出場は見えてくる。

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