■中島大貴新監督の夏初陣…福岡水産に8-3で初戦突破
第106回全国高校野球選手権福岡大会が6月29日から開幕した。5年ぶりに復活した開会式への参加は希望制で、出場136校135チームのうち、81校の選手が北九州市民球場に集結。開幕試合で北九州が玄界を4-0で破り、激戦区の夏は幕を開けた。
7月1日には九州国際大付が小倉商を7-0の7回コールドで破り、大会3連覇へ向けて好発進した。2011年センバツで準優勝を飾るなど、近年は全国でも強豪校の一角に名を連ねているが、かつては小倉高が隆盛を誇った。九州国際大付は、今夏を制してやっと小倉の福岡最多優勝回数「10」に並ぶ。
小倉はのちに野球殿堂入りを果たした福嶋一雄(早大ー八幡製鉄)を擁し、小倉中時代の1947年夏の甲子園で優勝。深紅の大優勝旗が初めて関門海峡を渡り、小倉の街は多いに盛り上がった。
そして48年夏の甲子園で連覇を達成。48年夏に福嶋が打ち立てた5試合45イニング連続無失点記録は、1939年夏の嶋清一(海草中、現向陽高)に並ぶ大会記録となっている。
小倉は46年から51年まで夏の福岡で6連覇を達成。そして54年~56年に3連覇するなど、福岡で最多の春夏21度の甲子園出場を誇るが、1978年センバツを最後に、聖地からは遠ざかっている。
高校通算51本塁打の河野戴駕(九産大)を擁して臨んだ昨夏は2回戦で苅田工に敗れ、まさかの初戦敗退。大会後に土井崇正監督が退任し、中島大貴部長が監督に就任した。
同校のOBでもある中島新監督は、7月3日に福岡水産と夏初陣を戦い、8-3で初戦を突破した。ユニホームの左胸に輝く、歴史と伝統に彩られた「K」の文字がグラウンドで躍動すれば、久しぶりの聖地も現実味を帯びてくる。オールドファンは、その瞬間を心待ちにしている。